終戦直後の東京で娼婦としてたくましく生きる女たちの姿を描く。田村泰次郎原作の同名小説の五度目の映画化で、脚本は「吉原炎上」(脚本構成)の笠原和夫が執筆。監督は同作の五社英雄、撮影は「竜馬を斬った男」の森田富士郎がそれぞれ担当。
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肉体の門 (1988) / Carmen 1945のあらすじ
昭和22年、秋。米軍占領下の東京で、せんをリーダーにマヤ、花江、美乃、・光代、幸子と新入りの町子たちは街娼、いわゆるパンパンをしていた。棲み家はどぶ川沿いの焼けただれたビルで、新橋を中心に関東一家と名乗っていた。ライバルは銀座の裏に棲むお澄をリーダーとするラク町一家だった。焼けビル対岸一滞の闇市を仕切るやくざの袴田一家がせんたちを配下にしたがっていた。しかし、関東一家には巨大な不発弾という守り本尊があった。いつ爆発するかわからないので、やくざたちもうかつには近寄ることができなかったのだ。秋も深まった秋の夜、一人の男が関東一家に逃げ込んできた。伊吹新太郎というその男はかつての陸軍上等兵で、強盗を働いてMPに撃たれたのだった。せんは新太郎に、自分が初めて抱かれた男の面影を見た気がした。傷が癒えたころ新太郎は「一緒にここを出よう」とせんを誘ったが、断わられた。彼女には仲間たちと金を貯めて、ここにダンスホールを造るという夢があったのだ。ところが、ある日町子が一家の金を持ち逃げして袴田組についたため、せんたちはリンチにかけた。袴田は戦前に兄弟分だった新太郎をさかんに組へ誘ったが、一匹狼となった彼は影ながらせんを見守っていた。冬を迎えるころ、せんはお澄と打ちとける仲になっていた。彼女は母と妹を犯したロバートという米兵に復讐するため、パンパンに身を落としていたのだった。袴田組のビルの追いたても激しくなったある日、新太郎は牛を一頭連れてきて、それをステーキにして酒宴となった。その夜、新太郎はマヤを抱き、二人は姿を消した。やがて関東一家の統率も乱れ、バラバラになった。そんなときお澄がロバートの復讐に失敗して、せんのところに逃げ込んできた。お澄はせんから挙銃をもらい、ロバートを撃ち殺すが、自らもMPの銃弾を受けてどぶ川へと沈んだ。昭和23年1月、ビルには“オフ・リミット”の看板が掲げられ、せんが一人たたずんでいた。そこへ美乃とマヤが戻り、新太郎は袴田を殺し、一トン爆弾の信管を抜くために帰ってきた。そして、せんは袴田組の残党の前で不発弾のロープを切り、ビルごと爆発させたのだった。
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